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釣りに夢中になっていた時期がある。いろいろとやってみたのだが、結局は川面に糸を垂れるだけの素朴なスタイルに落ちついた。もっとも、季節におかまいなく、日の出から日没までそれを続けていたのだが。
焼けつくような陽射しを浴び続けたある日の夕刻、部屋に戻って竿の手入れを始めると奇妙なものが見える。
白ペンキを一面に塗った床の中央からにょきっと突き出したカラフルな棒浮子。じっと見つめていると、かすかに揺れたり、上下する。
幻視というのか残像なのか、浮子はいつまでたっても消えることがない。残念なのは、こちらが先に眠り込んでしまったことだった。
当時の作品がいくつか残っている。作者の心情は変質しても、モノの姿は依然としてあの頃のままで、これも一種の残像というべきか。
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