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「ハーイ」とかなんとか言いながら、ウサギが手を振る。キッチュの良さには違いないけれど、赤い眼など可愛い。
でもこの紙切れ、いったい何だったのかが思い出せなくて弱った。遠い夏の日に、どこかの街で買ったものとまでは覚えているのだが。
一見して民家風で、店番もいなくて、でも駄菓子屋というのではない。商売をする気があるのかさえ不明の、たしかそんな店ではなかったか。
こんな紙切れ一枚で待たされた。待たせるにしては主人の態度が冷たい。すらりと伸びた首には、わずかに汗が浮いていたような‥‥。
数十円という言い値を渡すと、相手の口元が一瞬ほころんだ。薄く紅を引いた唇の中央から長めの前歯がのぞいたかと思うと、やがてその両耳は縦方向に伸び始め‥‥。
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