昨年秋に神戸市立博物館で開幕した「オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園 」は、第二の開催地である東京都美術館での会期もまもなく終了、閉幕を迎えようとしている。

4回連続特集「オルセー美術館展」を追いかけて〜の最終回は、現在開催中の東京展についての鑑賞記(寄稿)と、過去10年間にわたって計3回のオルセー美術館を企画・監修してきた高橋明也氏への総括的なインタヴューという構成になった。


[ オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園 ]鑑賞記

“美術展のプロ”たちが見た「オルセー美術館展」

 松本 猛 氏
 
 長崎 巌 氏

鑑賞記」の寄稿をお願いしたのは、松本猛氏と長崎巌氏のお二人。ともに数多くの美術展の企画・制作を手掛けてきた、いわば「美術展のプロフェッショナル」である。

松本猛氏は現在、長野県信濃美術館館長、並びに安曇野ちひろ美術館館長を務める。また四半世紀以上も前から「絵本」の分野に注目して研究と批評活動を展開し、この分野にスポットを当てたパイオニアとしてもひろく知られている。

長崎巌氏は東京国立博物館に20年勤務し、同館染色室長を務めた。退官後の現在は共立女子大学で教鞭を執るかたわら、染色を中心とした日本の伝統工芸に関する研究と紹介を続け、海外での美術展の企画・監修にも取り組んでいる。

両氏共に、オルセー美術館展コミッショナーの高橋明也氏とは親交をもつが、同時に、美術研究と展覧会の最前線で活躍する立場にもある。その意味で今回の鑑賞記は、旧友たちから高橋氏に贈られたエールであるとともに“見ること・見せること”のプロたちによるリアルな「展覧会評」であるといえるかもしれない。

 

INTERVIEW / オルセー美術館展三部作の完結を迎えて

オルセー美術館展10年の軌跡

 高橋明也 氏

「モデルニテ―パリ・近代の誕生」(1996年)、「19世紀の夢と現実」(1999年)、そして「19世紀 芸術家たちの楽園」(2006年 神戸〜2007年 東京)と3回にわたって開催されてきたオルセー美術館展のシリーズが、この4月8日をもって完結を迎える。

オルセー美術館展の開催で目指したものは何だったのか――それは達成されたのか。日本で開催されてきた各種美術展の歴史も振り返りながら、「オルセー美術館展三部作」の果たした役割について本展監修者の高橋明也氏にお話をうかがった。

 
 
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